株式会社LARGO代表。東京都を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の空間デザインを行うデザインスタジオ。ジャンルを問わず様々な分野の空間をプロデュースしています。
この記事を読んでいるあなたは、
美容室の内装デザインを決めるための基本は何なのか
おしゃれな美容室に共通するポイントを知りたい
他の美容室や業種の内装を参考にするときに注意すべき点は何か
上記のように考えているかもしれません。
美容室を開業するときに悩むことのひとつに、内装デザインが挙げられます。
まさに今、迷っている人もいるのではないでしょうか?
おしゃれな美容室を目指すなら、まずは事例をもとにデザインイメージを決めましょう。
今回は、内装のデザインイメージを固めるコツや、イメージを内装に取り入れる際に最も注目すべきポイントを解説します。
事例を交えつつ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
店舗設計・内装デザインの株式会社LARGO(ラルゴ)
美容室の内装デザインイメージを固めるためのコツ
美容室の内装を決めるといっても、何から始めればよいのか分からない人もいるでしょう。
内装のデザインがいまいちイメージできなかったり、費用がどのくらいかかるか気になったりした場合は、プロに相談してみるのがおすすめです。
内装業者を選ぶときは、これまでに美容室の内装を手がけたことがあるかどうかを確認するとよいでしょう。
過去に美容室の内装を請け負ったことがある場合は、経験と知識を活かした提案をしてくれるはずです。
また、親身になって話を聞いてくれる業者であれば、予算についての話もしやすいでしょう。
プロへ相談をする前に、どんなデザインイメージにするかを少しでも決めておくと、話がスムーズに進むかもしれません。
ここでは、内装のデザインイメージを固めるために知っておくべきポイントを2つご紹介します。
ターゲットとコンセプトを決める
デザインイメージを固めるためには、まずターゲットを決めましょう。
美容室を訪れてもらいたいお客様の年齢や性別のほか、どんなファッションが好きかなどによって、お店のデザインイメージを固めていけるでしょう。
例えば「20代・ナチュラルテイストの服装が好きな女性」をターゲットにするなら、ナチュラルな内装にすればよさそうです。
ターゲットを決めるとおのずとコンセプトも明確になり、内装の方向性も決まっていきます。
あとは当初のコンセプトからずれないように、インテリアや雑貨にもこだわりつつ美容室を作り上げていきましょう。
お店の内装で「素敵だな」と思ったデザインを参考にする
内装に限らず、デザインをゼロから考えるのは難しいもの。
そんな場合はインターネットで美容室の内装を調べて「こんな内装にしたい」と感じたものを参考にしてデザインイメージを考えるのがよいでしょう。
ただし、すでにあるデザインをそのまま使うのは絶対にNG。
どんな点がよいと思ったのか?どこがおしゃれだと感じるのか?などをメモしておいたり、全体的な雰囲気を参考にする程度に留めましょう。
また、美容室以外の業種の内装を参考にするのもおすすめです。
カフェ風のデザインを目指す場合は、実際のカフェの内装の要素を取り入れるとより雰囲気のある美容室になるでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けたカフェ「TREAT&GRAN」(東京・約6坪)の内装デザイン事例はコチラ
おしゃれな美容室の内装に共通するポイント
「おしゃれだな」と感じる美容室には、共通点があることをご存知でしょうか。
デザインイメージが全く異なる場合であっても、同じ要素が含まれていることがあります。
おしゃれな美容室に共通するポイントさえ分かれば、自分のお店にも活かせること間違いなしです。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「SALOWIN Ginza share」(東京・約97坪)の内装デザイン事例はコチラ
お客様やスタッフの魅力が引き立つ内装
おしゃれな美容室は、お客様やスタッフがより魅力的に見えるデザインを採用しています。
美容室の目的は、髪を美しくすることが主ではないでしょうか。
そのため、内装の主張が激しくて、お客様の魅力を妨げてしまうのは避けたいところです。
また、スタッフの髪型やファッションを見て「自分もあんな風におしゃれになりたい」と美容室を選ぶ人もいるため、スタッフも素敵に見えるようにしなければなりません。
あれもこれもと内装に盛り込むのではなく、程よく引き算をしながら作り上げましょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「BAYROOM by HONEY omotesando」(神奈川・約23坪)の内装デザイン事例はコチラ
居心地の良い空間
おしゃれな美容室は、リラックスできる雰囲気が漂っています。
施術内容によっては、お客様は何時間も美容室で過ごすことも。
また、美容室が苦手で緊張している人や、初めてで不安な気持ちを抱えて来店する人もいるでしょう。
そうしたお客様のネガティブな気持ちをほぐせるように、配慮が欠かせません。
シャンプールームに間仕切りをつけて個室風にしたり、セット面の間隔を少し広めにとったりなどの工夫で「また訪れたい」と思ってもらえるような内装デザインになるでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「KANOI Ginza Chuo-dori」(東京・約26坪)の内装デザイン事例はコチラ
「映える」ポイントがある
内装の中にひとつ「映える」部分があると、話題性もおしゃれ度もアップします。
SNSが広がり始めた最近では、ネット上の口コミを見て美容室を決める人も少なくありません。
新規顧客やリピーターを獲得するためにも、訪れた人が思わず人に話したくなるような内装にすることが重要です。
例えば施術後に写真を撮影できるスペースを用意したり、特注のインテリアがあったりなど、他のお店では見られない・体験できない要素があるとよいでしょう。
ただ、インテリアや小物にこだわるだけでも十分に映えるポイントが生まれるため、無理をする必要はありません。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「SALON VILLAGE Shibuya」(東京・約39坪)の内装デザイン事例はコチラ
非日常的な空間が演出されている
非日常を味わえる雰囲気であることも、おしゃれな美容室が取り入れている要素のひとつ。
自分を美しく変えてもらうために足を運ぶなら「ここなら自分を素敵に変えてくれるだろう」と思える美容室を選びたいもの。
おしゃれだと感じてもらうには、日常では感じられない刺激や、人の感性に訴えかけられる要素があるかが重要です。
美容室は、人によっては数ヶ月に1度程度とあまり訪れることのない場所でもあります。
あまり頻繁に行かない場所だからこそ、非日常のワクワク感を求める人もいるでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Toiro Shibuya」(東京・約29坪)の内装デザイン事例はコチラ
美容室内装のデザイン事例を紹介
ここからは、内装デザインのテイストごとに最も注目すべきポイントをご紹介します。
より統一感のある内装に仕上げることが期待できるため、ぜひ覚えておきましょう。
実例を交えてご紹介するので、あわせて参考にしてみてください。
シンプル
無駄なものを削ったシンプルな内装はお客様やスタッフが目立ちやすく、魅力を引き出しやすいでしょう。
シンプルな内装デザインを考えるときのポイントとしては、程よくアクセントを入れるということ。
簡素すぎるとどこか物足りなさを感じ、寂しい印象になってしまう場合があります。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Carelly Chofu AMIX」(東京・約18坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらの美容室は、最低限のアイテムのみ設置しているシンプルな内装です。
特徴的な形の鏡があり、シンプルな中にも遊び心が感じられます。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「ROCCO 3rd」(東京・約27坪)の内装デザイン事例はコチラ
シンプルを目指すなら、色を統一するとスッキリ見えるでしょう。
こちらの内装は壁や椅子までホワイトでまとめていて、簡素な分、手前の一風変わったセット面の配置がおしゃれに映えています。
ナチュラル
ナチュラルテイストにする場合に最も注目すべきは、自然の要素を取り入れているかどうか。
素材に木材を使用すれば自然を感じられて、リラックスできる空間になるでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Beco 八王子」(東京・約25坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらの美容室では、木目と曲線を組み合わせたデザインを採用しています。
アクセントカラーが映える受付カウンターは明るく開放的な雰囲気を作り出しています。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「hair resort Bay Shore NY」(東京・約55坪)の内装デザイン事例はコチラ
レンガやコンクリートのような木材以外の素材も組み合わせて、都会的な要素をプラスするのもおすすめです。
こちらの内装ではレンガを取り入れつつ、異なる風合いの木材を使うことで、単調な印象にならないようにしています。
モダン
「現代的」の意味を持つモダンなテイストの内装を考える際に注目すべきは、素材についてです。
先程ご紹介したナチュラルテイストとは反対に、近代的な素材を多めに使用するとモダンな印象が強くなります。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「U Shibuya」(東京・約22坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらはコンクリートを多く使用し、都会的かつスタイリッシュな空間に。
ユニークなデザインの鏡で柔らかさをプラスし、全体のイメージが硬くなりすぎないようにしています。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「ALBUM Shibuya PARCO」(東京・約48坪)の内装デザイン事例はコチラ
シンメトリー(左右対称)な内装デザインを採用し、洗練された印象の美容室内装です。
鏡は長方形、椅子は円形で統一してどこか未来的な印象を与えています。
ラグジュアリー
ラグジュアリーな内装の美容室を目指すなら、やはり質のよいものを使うのが重要です。
しかし、予算の関係で難しい場合もあるでしょう。
あまり費用をかけずに高級感を出したい場合は、色や光の使い方を工夫するのがおすすめです。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「FUJONOSATO」(東京・約15坪)の内装デザイン事例はコチラ
光を用いてラグジュアリーな空間を演出している例として、こちらの美容室の内装が参考になるでしょう。
店内を全体的に暗めにしつつ、間接照明の柔らかい光で上品で落ち着いたムードを作り出しています。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「ill HAVANA」(東京・約40坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらの美容室では、ホワイトをベースにしたラグジュアリーテイストのデザインを採用。
印象的なカウンターは天然石を使用しており、重厚感と高級感が感じられます。
ヴィンテージ
ヴィンテージテイストの内装デザインにおいては、どこを目指すかを決めることが重要です。
「アメリカン」「北欧」「西海岸」「レトロ」など、ヴィンテージテイストの中にもさまざまな種類があります。
どのタイプにするか決まっていないまま内装デザインを進めると、ヴィンテージではあるものの、どこか統一感のない内装になってしまうでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Snug.」(東京・約14坪)の内装デザイン事例はコチラ
レトロなら、こちらの美容室内装が参考になるでしょう。
ヴィンテージ感のある木を各所に施すことで落ち着いた雰囲気が出ます。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「AUBE HAIR pua」(神奈川・約15坪)の内装デザイン事例はコチラ
西海岸風ヴィンテージでまとめている例はこちらです。
爽やかなホワイトをベースに、くすんだ色の木材取り入れて古びた味のある内装に仕上げています。
フレンチ
ロマンチックで大人かわいいフレンチテイストにするなら、ベースカラーに白を選ぶのが大切です。
世界観を統一してしっかり作り込めば、非日常的な空間を生み出せるでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Lond robin SAKAE」(名古屋・約23坪)の内装デザイン事例はコチラ
フレンチテイストは、アイデア次第でお城のようなエレガントな空間も生み出せます。
こちらの美容室ではインテリアにゴールドを使用し、ゴージャスさをアップさせています。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「Lond charme Kichijoji」(東京・約21坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらはお客様をときめかせるような、キュートなフレンチテイスト。
アクセントとして壁に貼られたミントグリーンのタイルが、ホワイトを基調とした内装にかわいらしさを加えています。
インダストリアル
インダストリアルテイストの内装デザインをする上で重要なのは、名前の意味にもある通り「工業的」な要素を入れることです。
具体的な例としてはコンクリートやアイアン、タイルなどが挙げられます。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「KOKYO南流山」(千葉・約28坪)の内装デザイン事例はコチラ
こちらの内装ではニュアンスカラーをメインに、無機質な印象にしています。
ユニークな間接照明を取り入れることで単調になりすぎないようなデザインに仕上がっています。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「statice」(千葉・約46坪)の内装デザイン事例はコチラ
木材やレザーといった素材も取り入れると、インダストリアルテイストの中にも少し柔らかさのある内装に。
こちらの美容室ではコンクリートを大胆に使用しつつ、木材もバランスよく使うことでよい意味で違和感が生まれ、洗練されたデザインに仕上がっています。
デザインイメージと一緒に考えておくべきポイント
ここまでで、デザインイメージがかなり固まってきた人もいるではないでしょうか。
続いては、美容室内装のデザインイメージと一緒に考えておきたいポイントを2点ご紹介します。
内装デザインを決めたあとに「しまった!」と後悔しないためにも、覚えておきましょう。
機能性と動線設計について
美容室内装には、デザインイメージ以外に「機能性」と「動線」について考える必要があります。
美容師の仕事は髪を切るだけではなく、床に落ちた髪の掃除やシャンプーなど多岐にわたります。
そうしたさまざまな業務をストレスなく行えるよう、機能性も考慮した内装にするとよいでしょう。
LARGO(ラルゴ)手掛けた美容室「LUZ Tachikawa」(東京・約22坪)の内装デザイン事例はコチラ
また、スタッフやお客様が動きやすい動線を設計することも重要です。
美容室では待合室からセット面、セット面からシャンプー台など、お客様の移動の頻度が多くあります。
動線が考えられていない内装だと移動にもたついてしまい、お客様に不安感を与えたり負担をかけてしまう恐れがあります。
スムーズな動線設計はスタッフの仕事の効率化にも繋がるため、よく考えるようにしましょう。
内装にかける費用について
内装にかかる費用についても、事前によく考えておきましょう。
美容室内装におけるおおよその費用は「坪単価×広さ」で導き出せます。
相場としては、坪単価20〜40万円です。
ただし、業者や物件などの兼ね合いでも費用は変わるので、上記はあくまで目安として考えておきましょう。
少しでも費用を安くしたい場合は居抜き物件を活用したり、相見積もりを取ったりしてみるなどの方法があります。
また、シャンプー台のような備品やインテリアを中古品にするなどもひとつの方法でしょう。
美容室経営を成功させるには内装のデザインイメージを明確に
内装デザインにこだわるのは、美容室をこれから長く経営していくうえで重要なことです。
費用との兼ね合いも考えつつ、より自分のイメージにぴったりの内装を作りあげていきましょう。
もしも困ったら、内装業者に相談しつつデザインを固めてみてください。
お客様もスタッフも安心して過ごせる、素敵な雰囲気の美容室を開業しましょう。
株式会社LARGO(ラルゴ)は、東京都を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなどの店舗空間デザイン・内装設計・施工・工事を行っております。
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